機能不全家族で育った子供は、様々なパーソナリティ障害をかかえることがあります。

種類は色々あるのですが、 まずは、社会でも結構見かける、自己愛性パーソナリティ障害というものを取り上げます。

以前、「毒親の連鎖を止める」というエントリーで書いたのですが、 毒親はこの障害を持っている人が多いです。

 

wikipediaの言葉を借りると、自己愛性パーソナリティ障害とは、

ありのままの自分を愛することができず、 自分は素晴らしく特別で偉大な存在でなければならないと思い込む パーソナリティ障害の一類型。

 

です。

 

自分の中にある「理想とする自分」が膨れ上がってしまって、

俺は偉い、何でもできる、周りの人は俺のために働くべきだ、自分ほどすごい人間はいない、愛されて当然なんだ、

 

という、 自己陶酔、誇大妄想、万能感を抱いています。

言い換えれば、自分大好き人間、自分がすべて、という人です。

 

そんな自己愛性パーソナリティ障害の人は、ナルシスト的な感覚が強く、自分が評価されている時はご機嫌なのですが、

批判をされるとなると、必ず他の人のせいにして激怒します。

例えば、「俺の企画は良かったのに、お前のプレゼンが悪いから営業取れなかったんじゃないのか?」とか、

「馬鹿ばっかりで、俺のすごさをわかるやつがいない。」 「俺を誰だと思ってるんだ、俺のためにもっと仕事しろよ」 という感じです。

 

モラハラとも呼べる域に入っていますし、こんな上司がいたら、部下はしんどいにきまっています。

常に社長をご機嫌でいさせることにエネルギーを使ってしまうので

人一倍疲れるんです。

 

心理学の理論を活用して、

自分がストレスを貯めないようにしつつも、社長の機嫌を損ねないようにするにはどうしたらいいか、対応策をいくつか考えてみました。

もしあなたの上司が、自己愛性パーソナリティ障害を疑うほどなのであれば、この対応策が少しは参考になるかもしれません。

1、まず、「この人は赤ちゃんなんだ」という認識をします

いくら仕事ができたって、社会的な評価が高くったって、精神年齢は5歳児です。

「ママー、私を見て!」「こんなことできたよ、褒めて!」という世界から抜け出せていません。

「上司はこうあるべきだ」と考えると、理想の上司像とのギャップにイライラしてしまいますので、

あくまでも、相手は赤ちゃんだと思うようにします。

 

2、対応は、母親的態度で臨む

イメージ的には、「しょうがないわねえ、よしよし」と、頭をなでる感じで接します。

そして、ご機嫌を保つためには、とにかくまなざしを送る褒めまくるです。

まなざしは「興味を向ける」でもOKです。

「ちょっと顔色悪くないですか?」と少し気にかけるだけでも、 「この人は自分のことを見ててくれる人だ」と、気分が満足します。

 

普通の人であれば、あまりにも褒めちぎると、逆に「バカにしてる?」と気分を害する人も多いですが、

自己愛性パーソナリティの人は、いくら褒めてもそうは感じません。

子供と同じように、褒めれば褒めるほど、調子が出てきます。

どんどん褒めてあげてください。 本心でなくても言葉で言うだけで満足します。

 

3、いつでもニュートラルな精神状態でいる

相手にしているのは赤ちゃんです。こちらのリクエストについては、応じてくれる時とそうでない時があります。

赤ちゃんが思い通りに動いてくれないのは当たり前ですので、 拒否されても、おどおどすることなく、「あ、今日はご機嫌ナナメな日ね」くらいに考えて 暖かく見守りましょう。

自己愛性パーソナリティ障害の人は、他人が自分の影響を受けて、イライラしたり、おどおどしたりするのを見るのが大好きです。

というのも、「俺は人の感情をコントロールできる!」という自己陶酔、万能感に浸れるからです。

なので、言動に過剰に反応してしまうと、「俺はこいつをコントロールできる」と思って もっともっとコントロールしようとしてきます。

すると、それまで以上に態度が横柄になることでしょう。

それを避けるためにも、常にニュートラルでいることが重要で、 イライラ、おどおどは見せない方が得策です。

 

4、「あなたしかいません」は最高の言葉です

何か不都合があると、他人のせいにしてしまう自己愛性パーソナリティ障害。

部下の人は、頭ごなしに怒られることがあると思います。

そういうとき、実際に失敗をしたなら反省をする必要はありますが、 へこみ過ぎる必要はありません。

人は、カーッと頭に血が上ったときは言い過ぎるものですが、 特にこの自己愛性パーソナリティ障害の人は、 自尊心が傷つかないように、無意識の防衛機制として攻撃をしているだけです。

怒っているのはあなたを凹ませたいわけではなく、 「自分は偉いんだぞ!お前は俺の奴隷なんだぞ!」というのをわかってもらいたいだけです。

弱い犬はよく吠える、というのと同じです。

なので、凹んでいる演技をしつつ、 「怒らせてごめんなさい、けど、先輩にしか見つけられないミスでしたね。さすがです」 「僕にそうやって厳しく接してくれるのは先輩だけです」 というのを見せると、

自分を敬ってくれていると思えるので、満足して怒りは収まります。

 

ただ、うまく対応できたとしても、それなりに面倒なもの。

もし自己愛性パーソナリティー障害の人が近くにいたら、基本的には離れることが一番です。

 

どうしても部下を続けなくてはいけない場合も、疲弊しきってしまう前に、部署を変えてもらったり、転職をしたりすることをお勧めします。

一緒にいるとしても、3年が目安です。

もし、3年以上も一緒にいられてる人がいたら、その人の自己愛もやや不健全かもしれません。

「私はこんなすごい人と一緒に仕事ができているなんて幸せ」、 「一緒に仕事ができるのは、私にも才能があるからだ」という発想になっている場合、

オウム真理教の信者と同じような心理構造になっている証拠です。

 

危険なものから離れる勇気。 自分を守るために、逃げるが勝ち、ということもアリだと思います。