「発達障害」という言葉がよく知られてきました。
テレビで特集される機会も増えて、「大人の発達障害」という言葉も聞くようになりました。
発達障害と一概に言っても、
アスペルガー、自閉症、ADHD、学習障害など、
種類はたくさんあるし、性格傾向は全く違うのですが、
共通して「一般的な平均とは結構違う」というのはありますから、
子育て中に、自分の子は「他の子と同じことができない」ということがあると
「あれ?うちの子って、発達障害だったりする…?」と頭をよぎることがあると思います。
そして、ネットを探せば「発達障害チェックリスト」が出回っています。
「発達障害児に見られる特徴」を見れば見るほど、
うちの子に当てはまっている、と思い当たることが出てきてしまうものです。
私は親子リトミック教室も運営しているのですが、
先日も、「うちの子は発達障害かもしれない」と感じて不安になっているママにお会いしました。
話を聞いていると、3歳になる息子さんが、図書館のお話会で静かに座っていられないとのこと。
言葉も遅いし、遊びもすぐに飽きてしまうし、ADHDかもしれない、と疑っていらっしゃいました。
もし発達障害なのであれば、早めに療育を受けさせたい、と考えているようだったので、
早めに対応しようという前向きな姿勢は素敵だな、と思ったのですが、
※療育:障害をもつ子供が社会的に自立することを目的として行われる医療と保育。
私がお子さん&ママと45分間遊んだ中では、そこまでADHDの要素はないなあ、と感じました。
ADHDのお子さんは、落ち着いて座っていられず、絶えず走り回ったり、
イスの上に乗ったり、ドアから出て行こうとしたり、とにかくせわしない子が多いのですが、
その子は、ママに抱っこされていれば座っていられるし、
「お片付けしよう」と言えば、私がちゃんと楽器カゴをしまうまで手伝ってくれて、集中できるじゃない、と思う部分はあったからです。
(ADHDの子は、お片付けしてる途中に他のものに気が移っちゃったり、そのおもちゃでまた遊び始めちゃったり、というのが多い印象です)
確かに、部屋の中を走り回ることも多かったので、
これが幼稚園の年長さんだったら確かにちょっとADHDを疑いますが、
息子さんはまだ3歳。
集中してママと一緒に座ってるなんて、まだまだ難しいお年頃です。
いや、だからと言って、ADHDではないとも言えないし、
もしかすると、診断がつかないレベルのグレーなところにいる可能性もあるのですが、
お母さんの相談を聞いていて私が感じたのは、、
「この子が落ち着きがないのは私の育て方のせいじゃなくて、障害のせいであって欲しい」というような願い
でした。
「障害だから仕方ない」
そう思えれば、肩の荷が下りるのかな…
きっと、「子どもがどう育つのかは、自分の力にかかっている」と感じながら、必死に周りの子と同じようにしようとして…、頑張り屋さんのママなんだなあ…と思いました。
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発達障害って、かなりきっぱり線引きがされているのではなく、
判断はあいまいなところにあります。
障害ではなくて、実際に養育が原因で集中力のない子もいるし、
家庭環境によるものもあります。
専門機関ですら、
「チェックリストに〇個以上当てはまるから、この子は発達障害!」と確定することはできないものなのです。
(お母さんの気質とか、おうちの子育て状況とかも判断材料となります)
それが2歳、3歳だと尚更、判断は難しいです。
じゃあ、子どもが発達障害かもしれない、と思った時はどうするか…
まずは、子育て支援センターで相談をしてください。
子育て支援センターにはたくさんの子どもを見てきた専門家(保育士や保健士)がいますから、
「確かに、ちょっと疑わしいな…」と思えば、心理士を紹介してくれたり、検査できる場所を教えてくれたりします。
また、もしかすると、ママだけが不安に思ってるだけで、「これくらい、3歳児にしたらよくあることですよ!」と言ってもらえるかもしれませんし、
自分の不安を気軽に相談できる専門機関を持っておくのは悪いことではありません。
もし「検査してみてはいかがですか?」と言われたら、ぜひ一度検査を受けてみるといいと思います。
発達度合いを確かめる検査(知能検査など)は、
その検査オンリーで「あなたのお子さんは発達障害です」と認定されることはありません。
ただ、検査をすることで、お子さんの得意・不得意がわかりますので、
良いところは伸ばし、苦手なところは丁寧に援助していくことができます。
そして、検査をしてみて、発達障害と判断されたとしても、されなかったとしても、
特徴がわかったら、「この特徴がこの子の性格なんだ」と気分を変えて、オールOKの考え方で子育てをしてみてください。
程度によっては、やはり薬を飲んで、二次障害を防いで防いであげる必要もあると思いますが、
養育者のマインドとして、オールOKの目的:「子どもがやりたいこと、興味あることをとことんやらせてあげることによって、子どもの主体性を伸ばす」
というのは、「他の子とちょっと違う」お子さんを持つ親御さんにこそ、とても大切だと感じます。
ぜひ、オールOKを実践してみてください。
オールOKで育てた結果として、
アスペルガー症候群の特性(一度ハマると集中する、感覚が過敏)を生かして、珈琲の焙煎士をしている子もいます。
【アスペルガー症候群】 15歳、ぼくにしかできないことを
http://mainichi.jp/articles/20170526/k00/00e/040/220000c
この子の場合、親が自営業なので、オールOKできる環境がある、というのは強みですね。
しかも、両親ともに好きなことをやって仕事にしているので、
「好きなことを仕事に」というのが、この子にとっては自然なことなんだと思います。
きっと、サラリーマンの人で、「仕事は与えられたものをやる」というマインドの人が
同じような子育てをしようとしたら難しいと思います。(そもそもオールOKを受け入れられないと思いますが…)
オールOKは主体性を身につけさせてあげる子育て法なので、
親に主体性がないと、難しい
という子育て法でもあるんだと思います。。
子育てって、本当大変…。
発達障害だろうと、そうでなかろうと、
子どもの主体性を伸ばすことって、とても大切です。
ぜひご自身の主体性(自分は何をしたいのか?)とも向き合って、子どもの主体性を伸ばしてあげてくださいね。