※2014年9月に書いた記事を、2015年8月に書きなおししました。
こんにちわ、精神分析カウンセラーの嶋田恭子です。
いじめの心理について、
2回にわたってお話しています。
リンクはこちら↓
【第1弾】 いじめの心理①:いじめられる子
【第2弾】 いじめの心理②:いじめる子
今度はいじめる側の話です。
***
いじめる子の心にも、闇は潜んでいます。
いじめてしまう子というのは、もともと、
ものすごく誰かをいじめたい!という動機で他人をいじめているわけではありません。
「あいつ、なんだかムカツクな」
そんな理由で、衝動的にいじめを行います。
どうしてそのような気持ちになってしまうのでしょうか?
それは、いじめっこというのは、
他人をいじめることで自分の価値を保とうとしているからです。
ということは、いじめっ子というのは、
本当の意味で「自分に自信がない」子となります。
自分に自信が持てないからこそ、他人と自分を比較して、
「自分はあいつよりも価値ある人間なんだ」と考える無意識が存在しています。
こういう子は、小さい頃から誰かと比べられて育った可能性が高いです。
「お兄ちゃんは勉強ができるのに、弟のあなたはダメね」 とか、
「隣の○○君は、すごく成績がいいみたいね」とか、
他人を引き合いに出して、比較して育てると、
他人よりも上回っていなければいけない、という価値観が生まれます。
また、親が子ども本人と誰かを比べることがなくても
「あの人、大学出てないくせに生意気なのよね」とママ友を批評するなど、
階級意識を持った発言を繰り返したりすると、
自分の位置は、他人を通してはかるものだ、という価値観が作られます。
そして、他人の評価がなければ、自分の価値がわからない子になってしまいます。
自分が価値ある人間なんだ、というのを実感したいがために、
どうにかして他人に勝ってやろう、と負けず嫌いな性格になることもあります。
その負けず嫌いな性格が大きな力を発揮することもあるし、
自信を作り上げていくこともあるのですが、
そこに攻撃性がプラスされた場合、
「他人を貶めてでも、自分は価値ある人間だと感じたい」という無意識が、行動に表れてきます。
相手を貶めないと、自分の価値が上がらない
そんな構造が、いじめっ子の心理構造です。
自己肯定感を上げる
では、他人を貶めるわけでも、他人と自分を比べるわけでもなく、
「自分は価値ある人間だ」と感じられるようにするにはどうしたらいいでしょうか。
それには、
母親が、
「ありのままのあなたでいいの。頑張ったってだけでも、お母さんはすごいと思うよ」
と、声をかけて育てることが大事です。
重要な点は、
・子どものありのままを認めること(承認)
・子どもの努力を褒めること(賞賛)
の2つです。
いじめっ子の場合、家で抑圧している分を学校で発散させている子が多く、
家では「いい子」を演じていることが多々あります。
なので、親からみたら、「なぜ、うちの子が」ということはよくある話ですよね。
この、いじめっ子がそのまま大人になった場合、
社会に出てから、パワハラ・モラハラという名の「いじめ」をするようにはなるかもしれません。
また、家庭に帰ってからも、「誰が稼いでると思ってるんだ!」と、
偉ぶってしまうこともあるかもしれません。
自分で自分の価値に満足ができていれば、
他人をいじめる必要性はどこにもなくなるのです。
(他人に自慢をすることもなくなります)
***
いじめられっ子も、いじめっ子も、
精神的なアンバランス感で言えば、そう大差ありません。
どちらも、母親からの承認と賞賛が足りてないし、
子どもらしい子ども時代を過ごしていない子達だと思います。
おそらく、共働き家庭が増えるにつれ、親と子どもの関わり方が変わり、
心に闇を抱えた子どもは増えていきます。
子どもがいじめに巻き込まれることのないように、
「ありのままでいいんだよ」
「結果じゃないよ、前を向いて頑張ることに意義があるよ」
と声かけをしながら、
「いつでも話聞くからね」というスタンスで、大人が見守っていけたらなと思っています。
そのために必要な子育てが、オールOK。
子どもの意見を尊重し、すべて丸ごと受け入れていく子育てが、
将来の子どもの主体性をはぐくみます。
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