「耳が痛い」って慣用句で言いますよね。

 

Weblio辞書によれば、

 

耳が痛いとは…

 

他人の発言・批評などが自分の弱点をついているので聞くのがつらい

 

という意味です。

 

「なんでそんなこと言うんだろ、この人。嫌だなあ~」と思っているということですね。

 

痛いところを突かれているというのは、

無意識の中の話でいえば、コンプレックスを刺激されているというのと同じになります。

 

 

この、無意識の中のコンプレックス(劣等感とか葛藤とか)が刺激されている時というのは、

イライラしたり不安になったり、ネガティブな感情を引き起こすことが多いです。

 

そして、その葛藤を言語化できない場合、身体化か、行動化として現れます。

 

 

「言語化できない場合」というのは、具体的に言えば、

 

耳が痛いことを言われても、言い返せない

 

という状態です。

 

上司などに嫌なことを言われて、不満があるのに言い返せない状況なんかは、

「言語化できていない」と言えます。

 

そして、言語化できていない場合に身体化したもの……これが病気です。

 

「嫌だな~、聞きたくないなあ~、耳が痛いなあ~」という気持ちを言葉にせず我慢していると、

どのように身体化するか、というと

 

本当に、「耳が痛い」という状態で身体化します。

 

大人でよくあるのは、中耳炎とか、突発性難聴とかです。

 

なので、耳の病気(耳が痛いという状況)になってしまった場合、

精神分析家は、「この人はなにか聞きたくないことがあるのかもしれない」ということを一番に疑います。

 

 

 

芸能人で、突発性難聴になる方は多いですよね。

 

きっと、心ない言葉をかけられても言い返すことはできない、という状況が

一般人よりも多いんだろうなあ…って思います。

 

ブログに悪口を書かれても、言い返せば炎上するし、言い返せずに我慢するしかない。

そうした結果が、難聴なんでしょうね。

 

 

ただ、「嫌だな~」っていう気持ちは、人によって違います。

 

同じ言葉を聞いたからと言って、

全員が同じように「そんなことを言われると耳が痛いな」とは思わないんですね。

 

例えば、「そんなに食べたら太るよ!」と言われた場合を考えてみます。

 

この言葉、

「少しくらい太ったってへっちゃらよ」と思ってたり、

「食べても後で運動するから大丈夫!」と思っている人からしたら、

特に耳が痛くなる言葉ではありませんよね。

 

では、どんな人が、「そんなに食べたら太るよ!」という言葉に「耳が痛い」と感じるのかというと、

 

それは、ダイエットを決意するも、よく失敗している人だと思います。

 

意志の弱い人、というか・・・。

 

 

きっと、こういう人は、「そんなに食べたら太るよ!」という言葉の裏に、

相手は「あなたはなんて意志が弱い人なの!?そんなんじゃダメよ!」って言いたいんじゃないかと深読みして、

 

「あー、嫌なこと言うなあ…」と感じてしまうんだと思います。

 

それって、ただの深読みなんですけどね。

 

「この人は私のことを思って忠告してくれているんだわ」とは思えないわけです。

 

 

こうやって深読みしてしまうのが、思考のクセ、いわば、無意識のしわざです。

 

思考のクセはどうしてついてしまうか、というと、それは育ってきた環境の中でどのような言葉をよく言われてきたか、によります。

 

小さい頃から、ネガティブなことをたくさん言われて育つと、大きくなっても他人が自分のことを否定しているような捉え方をしてしまう傾向にあるし、

 

逆にポジティブな言葉に囲まれて育った場合、他人の言葉を肯定的に捉える傾向にあります。

 

 

他人から何か言われても、ポジティブに捉える事が出来ればストレスはたまりません。

 

 

この思考のクセを探るには、実は、精神分析の理論を使わなくても可能です。

自分の考え方を振り返ってみればいいんです。

 

ただ、無意識の深くにまで入り込んでしまうと、自分で気付くには時間がかかるときがあるので、

そういった時には、精神分析を使えばいいと思います。