人の無意識は、言葉で構成されています。
では言葉はどこから習得するか、と言えば、まずは親ですよね。
なので、無意識を構成しているのは、親の口癖である可能性が高いです。
親の口癖が無意識にすり込まれていくと、その人の考え方にも影響が与えられます。
親が使う言葉がポジティブであれば、ポジティブな性格に。ネガティブな言葉が多ければネガティブになるんですね。
そして、「思考は現実化する」という法則がありますので、ネガティブな意識は、必ずネガティブな事象を引き寄せます。
例えば、
ある大学の入試で、答案用紙に名前や受験番号を書き忘れた人たちを集めて調査を行ったそうです。
調査の内容は、「小さいころから親から言われてきたことは何か」。
すると、多くの人が、
「あなたは、イザというときにダメなのよね~」とか、
「あなたは、いつも本番に弱いのよね~」
と言われていた、という結果が出ました。
そう言われ続けてきた人は、やっぱり勝負弱いんですよね。。
「本番だ!」と意識することで、この言葉が頭の中でよみがえって、過度に緊張したり、「ダメかも・・・」と弱気になったりしてしまうんです。
このことからも、普段の口癖がとっても大事なことがわかります。
ネガティブなことを引き寄せないためにも、人に声をかけるときは、できる限りポジティブな事を言ってあげてください。
例えば、友達が海外旅行に出かけるのなら、「いってらっしゃい、気をつけてね!」ではなく、「楽しんでね!」の方がいいんです。
普段「気をつけてね」というのは、社交辞令のように使いますし、 特に気にしていない人が多いでしょうが、
実際には無意識にすり込まれていて、
「気をつけよう」という無意識が、気をつけるべき事象を引き寄せます。
交通事故とか、暴漢に襲われるとか、ぼったくられるとか。 「気をつける」というイメージが、その人によって違うと思いますが、
イメージしてしまったら引き寄せてしまうので、できるかぎり心配事は口に出して言わない方がいいんです。
ちなみに、アメリカでは、”Have a good flight!(フライトを楽しんでね)”とか、
“Bon voyage!(よい旅を)”って言って、とてもポジティブに送り出します。
毒親を持った方々は、かなりネガティブなことをすり込まれています。
例えば、
・誰が産んであげたと思ってるの?
・あなたは何をやってもダメね
・もっと頑張りなさいよ
・苦労は買ってでもしなさい
・パパに似ちゃったのね、可愛そうに
・あなたなんて、社会に出たら通用しないんだから
・苦しいことをするからお金が稼げるのよ
こんなことを言われた人は、
・子供は我慢すべき → 我慢しなくてはいけない状況を引き寄せる
・自分はダメな子だ → 自分をさげすむ人を引き寄せる
・苦労をしない限り幸せにはなれない → 苦労ばかりを引き寄せる
ということになります。
想像しただけでも、かなり苦労することが目に浮かびます。どうして私だけこんなに不幸なんだろう、という出来事が連続して起こる可能性もあります。
そして、こういう考え方の癖を持っている人と言うのは、我慢しなくていい状況でも、 褒めてくれる人が現れたり、幸せな出来事があったりしても、
悲しいことに、ネガティブに考えてしまうことが多いようです。
・わがままって思われてるんじゃないかしら
・褒めてくれるだなんて、何か裏があったり、下心があるのかも
・この幸せは長く続かない、私は幸せになってはいけないんだ etc..
中々、自分一人ではこの考え方の癖を修正していくことは難しいんです。
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精神分析やカウンセリングを受ける意義は、この考え方の軸に気がつくことです。
カウンセラーと話していると、自分が当たり前だと思っていたことは、実は他の人には常識じゃなかった、という気付きを得られます。
そして、客観的に自分の無意識にある「考え方の癖」を見つけることができます。
そして、癖がわかったら、書き換え作業をするんですね。 最初は自分に許可を与える形にして、次に決意の形にするんです。
例えば、
もう我慢しすぎなくていいんだ・・・ →私は我慢しすぎない
褒めてもらってもいいんだ・・・ →私は褒めてもらえる
私は幸せになってもいいんだ・・・ →私は幸せになる
無意識にまで入り込んでいる言葉というのは、今まで何十年間と言われ続けた言葉なので、修正して書き換えていくには時間がかかります。
だけど、心理カウンセラーをしている人たちというのは、サポートしてくれる人たちばかりです。
残りの人生、思いのほか長いですから、取り組むのが早ければ早いほど、その効果を楽しめます。
毒親の連鎖を断ち切って、ハッピーな人生を手に入れたいと思いませんか??