師匠の臨床例をまとめて見ていると、

母性喪失の度合いがひどい場合、

備給が追いつかずに心的エネルギーが枯渇して、
身体を動かせなくなってしまう年代があって。

それが40歳ごろのようです。

身体が動かせない、というのは、病気になることも、亡くなってしまうことも含めて。
自殺してしまう年齢もこの頃が多い。

実はこの年頃、どんな人にも危機はあって、、
アメリカでもこの年頃は「中年の危機」、「ミッドライフ・クライシス(midlife crisis)」と呼ばれています。

20代や30代までは、目の前の仕事や子育てに突っ走ってきて、
何もかもが少し落ち着いた頃、

ふと、「このままでいいのかな」と考えてしまうのが40代とか50代。

このときに、ライフスタイルを変えてみたり、趣味に没頭してみたり、新しく事業を始めたり…
どうにか自力で乗り越えて行ける人は、とても幸せな人だと思います。

ただ、自分の生きている意味、存在価値がわからなくなって、
依存症とか、自殺願望とか、不幸な道に進んでしまう人達は、
程度の差こそあっても、母性喪失の環境で育った可能性があります。

人間は、無意識の中にコンプレックスを押し込めたままにしておくと、

1,身体
2,精神
3,行動

の3つのどれかで症状を表現します。

具体的に言うと、例えば、

1,身体・・・肌荒れや頭痛など身体症状が出る、病気になる

2,精神・・・メンタルの病気になる、うつ病になる、感情がコントロールできなくなる

3,行動・・・うっかりミスをする、言い間違いをする、事故を起こしたり巻き込まれたりする

っていう感じです。

よく、「毒は吐かないと自分がやられる」って言いませんか?(私の周りだけかな・・・。。)

他人の悪口も、どうして自分がイライラするのか、という分析であれば
言葉にすることは悪いことではなく、

逆に、「悪口なんて言うべきじゃない」という信念から、
本当はイライラしているのにそれを見過ごして我慢を続けると、

確実にストレスになって自らを攻撃することになります。

これは、無意識レベルでのイライラもあるので、
自分では怒っている自覚がない、という人もいますね。

このストレスが精神に表れると、うつ病になったり、

ストレスが身体化すると、胃が痛い、肌が荒れる、口内炎が出来る、ってことになったりします。

ちなみに行動化するとしたら、
むかつく相手から頼まれてたことを、うっかり忘れたりします。

これは無意識で反抗している証拠なんです。

***

で、この、身体・精神・行動の3つのうち、どれになるかは、その人の精神構造次第なんですが、

「精神」がやられるのが、一番タチが悪いと思っています。

特に、うつ病から自殺へと発展してしまうこと。
私はこれが何よりも怖いです。

元々メンタル的にリスクを抱えている人は、すでに中年の危機を迎えるまでに
なんらかのトラブルに見舞われている可能性は高いけど、

死んでしまう、という意味でいうと、40歳近辺がかなり要注意なんです・・・。。
特に、独り身の45歳くらいまでが危ない。

家族や配偶者に支えられて、ギリギリながら乗り越えられる人もいるので、
母性喪失だからって全員が45歳までに何か起こる、というわけではないけど、

45歳までに寿命が切れてしまう人、というのは、ほぼ100%、母性喪失だと思う。

例えば。

野球の伊良部投手。
2011年に42歳の時に自殺により亡くなっています。

wiki先生によると、伊良部投手の両親は、物心つく前に離婚しており、
成人するまで自分の父親がアメリカ人だということを知らなかったとのこと。

推測するに、お母さんは離婚後、
生活を支えるために、母親的なことは十分にできなかったんじゃないかなあ、と思う。

しかも父親がどういう人だったか、という話を全くしていないとなれば、
そもそも、親子の会話とか、交流があったのかどうかも疑問・・・というところ。

母子喪失の可能性はかなり高いです。

そして、30歳過ぎになって、戦力外通告。

野球で順風満帆な人生を送った人に突如訪れた挫折に、
最初は起業をしたり、もう一度トレーニングをして復帰しようとチャレンジしたり、

頑張るエネルギーがあったのに、、

40歳を過ぎて、耐えきれなくなっての自殺。

特に、亡くなる近辺は、奥さんとも離婚だか別居だかをしてて、
支える人、エネルギーを備給してあげられる人が近くにいなかったようなので、

もう、これはしょうがないかな、という感じです。。

40歳を過ぎての孤独は、やっぱり怖い。

自立も大事だけど、やっぱり、お互いにエネルギーを与えられる社会がいいと思う。
そうすればみんなハッピーになる気がするのに。