今日、NHKの『あさイチ』で、ユマニチュードが紹介されてました。

ユマニチュード(Humanitude)とは、フランス発祥の、介護に使えるケアメソッドの一つ。
以前にもNHKが特集をしていて、興味があったのだけれど、

改めて、子育てと同じじゃないかなあと思いました。

子供を育てる時に大事とされるものが、ユマニチュードにはつまっているんです。

 

例えば、ユマニチュードで中心となるケアは、

1、見つめること

2、話しかけること

3、触れること

4、立つこと

だそうです。

 

精神分析の理論でいえば、3歳までの子育てに必要なものは、まなざし声かけスキンシップ関心の4つだけです。(こちらでも書いてます「母性という定義。」)

子供が「ママ、見て!(まなざしが欲しい)」「ママ、抱っこ!(スキンシップが欲しい)」と繰り返し言うのはそのせいです。

 

ユマニチュードの中心ケアのうち、

1、見つめる(=まなざし)

2、話しかける(=声かけ)

3、触れる(=スキンシップ)

の3つについては、子供が欲しているものと同じですよね。

 

 

ここで、無意識と認知症について考えてみると、

認知症になる人というのは、認知症であればお世話をされることが確実なため、「世話をされたい」という無意識を持っている可能性は高いです。

認知症になることで、疾病利得を得ようとしているわけです。

 

そうなのであれば、幼いころには世話が足りなかった人なんだと考えられます。

ずっとずっと誰かに世話をしてもらいたかった、という欲望を無意識に押し込め続けた結果、

赤ちゃん返りのように認知症を引き起こした可能性は大いにあります。

 

 

なので、介護を通じて行うべきは、やはり「母親的な愛情を持って、世話をすること」に限ります。

愛情をもって介護をすれば認知症を治療できるのか、というのは症状にもよると思いますが、

NHKの報道によれば、ユマニチュードのケアをすることで認知症の症状が軽くなった患者は多いとのことです。

認知症の人を相手にしていると、「この人は自分の言っていることがわかっていない」と感じる事ばかりだろうし、

話しかけてもすぐ忘れちゃうからって、段々と話しかけないようになってしまうと思うのですが、

 

赤ちゃんに語りかけるお母さんって、赤ちゃんが何も話さなくても、ひたすら声をかけ続けるじゃないですか。それと同じように、患者さんにも声をかけることが重要だと思うんです。

そして、効果を信じて、お母さんのような心で接すること。それがユマニチュードの極意かなと感じます。

 

認知症の患者を介護することは、かなり大変なことだ、というのはわかっています。

赤ちゃんのように小さくないし、力も強いし、罵詈雑言を浴びせてくる人だっています。

 

ただ、介護でも保育でも、相手は人。

 

この人が本当に欲しているものはなんなのか、という部分に焦点を当てることで、 介護にもやりがいが出てくるような気がします。

 

「相手が何を欲しているのか」には必ず論理があると思えば、その答えを探す面白みが増すかもしれません。

 

ユマニチュードメソッド。

そこに存在する心理学的な論理と一緒に、世の中にもっともっと広がればいいなあと思います。