「オールOK」解説の続き。
今回は、「お父さんはどう子供と接したらいいの?」という疑問。
※オールOKとは何かを知りたい方は、こちらのページへ!
精神分析の理論を伝えると、
俗に”イクメン”と呼ばれる男性方には、
がっかりされることも多いのですが
お父さんが子供に与える影響って、
実は、7歳くらいまではあまりありません。
子供が父親をどう思っているのかというと、
まずは、「遊んでくれる人」…。
もちろん、遊んでくれるのはとても嬉しいのです。
けど、別にいなければいないで大丈夫。
その子の人格には何の影響もないです。
逆に、お母さんがいないとなると、
心の成長に大きな影響を及ぼします。
では、子供が7歳になるまで、お父さんは何をしたらいいのか。
それは、「お母さん(奥様)のサポート」です。
母親が子供にたっぷりの愛情を注いであげられるのは、
その母親の精神状態が安定しているからですよね。
そして、声を大にして言いたいのは、
女性は、男性が思っているよりも、
子供をどうやって育てたらいいか、知りません。
女だからって、みんながみんな料理が得意か?と言えば、
さすがに練習しなきゃムリだよ、っていうのと同じで
「こうやって育ててあげたい」、って思ってても
保育士やベビーシッターとして赤ちゃんに接する仕事をしていない限り
実際に行動するのって、本当に大変です。
そんな中、
夫が毎日飲み歩いていて帰ってこない
夫が家事をまったくしない
夫が浮気しているかもしれない
っていう、イライラした状況で、
子供に100%の愛情は注げません。
してはいけない、とは思いつつ
子供に当たってしまう時が絶対に出てきてしまうと思います。
以前NHKでやっていましたが、
子育て中の女性の脳波を調べると、
ストレスを抱えると出る脳波が、ほぼ一日中出ているそうです。
ただ、それでも、
1日に数回だけ、リラックスした脳波にも変わるとのこと。
それはいつなのか?を密着調査してみると、
1つが、授乳中。
もう1つが、夫と会話をしているとき、なんだそうです。
しかも、話は聞いてくれるだけでいい。
夫は、ただただ母親の話を聞くだけでいいんです。
(それが難しいのでしょうけど…)
いかに旦那様の存在が妻をリラックスさせているかが
わかる調査です。
お父さんとしておむつ替えを頑張るよりも、
夫して、奥さんの話を聞いたり、肩もんであげたり、
そしてなにより、
「いつも子育てと家事を頑張ってくれて、ありがとう」
共働きで奥さんも仕事に出ているなら、なおさら
「仕事で忙しいのに、子育てもしっかりやってくれて、ありがとう」
と声をかけることが大切です。
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では、子供が7歳以上になったら、どうするか。
7歳と言えば、小学生になりますよね。
子供は、「社会」というものを
幼稚園や保育園以上に感じることになります。
そこでようやく、お父さんの出番!
一番社会と接点の多いお父さんが、
「社会というものはな…」と
社会にはルールが存在すること、
理不尽なことも時には経験すること
など、人生の先輩として説明し、教えていくことで、
子供は社会性を学びます。
例えば、子供が「学校でこんなことがあって、どうしたらいいかわからない」、という話をしてきたら
父親と一緒に対応策を考えます。
また、子供が「ゲームを毎日10時間やりたい」と言ってきたとき、
「それはちょっと目に良くないだろう」と思えば、
父親と一緒にルールを決めます。
価値観を押しつける必要はありませんし、
基本的には子供を信頼して見守ればいいのですが
どうして10時間のゲームは良くないのか、という点を
きちんと説明できる能力が必要です。
また、子供が聞いてきたことに答えられなければ
「一緒に考えてみよう」とか、「詳しそうな人に聞いてみよう」でOKです。
とにかく、「論理的な考え方」というものを
子供に伝えるのは父親の役目なわけです。
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社会で活躍する女性だって増えていますので、
社会性や論理性を伝えるのは母でもできるじゃないか、という話もあるのですが、
子供は母に、話を聞いて欲しいと思っています。
論理的な考えは、時に、気持ちの面をないがしろにしてしまうことがありますが、
“お父さんはそういうけどさ、僕はとても辛かったんだよ”
という気持ちを吐き出せる場所として、
お母さんが必要だし、
お母さんが聞き役でいた方が、子供の心はバランスを取りやすいです。
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子供が少し大きくなってきた頃、
その子の学力が伸びるかどうか、論理的な思考が身につくかどうか
コミュニケーション能力(特に恋愛力)が高くなるかどうか…
というのは、結構父親の力によるものが大きいです。
赤ちゃんの時は手がかかるけど、
子供が大きくなってきたとき、父親に必要なのは知性。
「親だから」という権力を振りかざすことなく、
いかに子供を説得させられるか。
大人の頭脳の見せどころです。
お父さんが教え、お母さんが育てる。
このふたつを併せて、「教育」と言うそうですよ。