機能不全家庭で育った子供は、

その家庭で生き延びるために、役割を背負っていると言われていて。

 

自分が何かをすることで、

家族をひとまとまりにしている、ということです。

 

クリッツバーグの定義によると、

典型的な役割は、次の6つとのこと。

 

•ヒーロー(Hero)/英雄

•スケープ・ゴート(Scapegoat)/身代わり

•ロスト・ワン(Lost One)/いない子

•ピエロ(Clown)/道化役

•リトル・ナース(Little Nurse)/慰め役

•プリンス・プリンセス(Prince・Princess)/お姫様

 

その定義の詳しくは、All Aboutにも書かれてるので

ぜひご一読頂ければ、とも思いますが

いい子、悪い子を演じ続けた子どもが大人になったとき

 

ここでは少し、私の言葉で補足したいと思います。

 

 

 

•ヒーロー(Hero)/英雄

「優秀な子」「しっかりした子」といわれるような、「優等生」ですね。

 

しっかりしていることで評価されようとしていて、

親から頼られることで、家族のバランスを保とうとします。

 

長男・長女には多いかもしれません。

 

ただ、機能不全家族では、

目標を達成しても褒めてもらえず、

まだまだ上を期待されてしまうことが多くて、

 

常に不全感や失敗感を持っている人たちが多いかと思います。

 

たとえば、「優秀でなければ、うちの子供とは言えない」と、

厳しいことを言われて育った場合とか、

 

テストで100点を取ったのに、

「どうせ他の子も100点ばっかりだったんじゃないの?」と言われて

褒めてもらえないとか、

 

成績優秀を保っていなければ、親からの信頼を勝ち取れない…!と思いこんでいて、

少しでも成績が落ちるだけでも、

大きな失敗だー!と感じてしまうのが特徴です。

 

•スケープ・ゴート(Scapegoat)/身代わり・問題児

家でも学校でもトラブルを起こす「問題児」です。

 

友達に暴力をふるうとか、モノを壊すとか、

攻撃的に振る舞ったり、

 

俺様は偉いんだぞ!と存在を主張したりして、

とにかく問題ばっかり起こしている子がいますよね。

 

そういう子は、そうすることで、

家族の中の本来の問題から目をそらそうとしています。

 

ただ、実際には、自分のやったことに傷ついていて、

罪の意識も深いので、

それを正当化しなければやっていけない状況が訪れて

「俺が正義だ!だから、ぶってもいいんだ!」と、

ジャイアンのようなガキ大将は、

もしかしたら、家庭が機能不全家族なのかもしれません。

 

 

•ロスト・ワン(Lost One)/いない子

 

「あの子は放って おいても大丈夫」と思われるような、

「いないふり」を身につけている人です。

 

家にいても、自分の気配を消していて、

家族の争いの火が自分に降りかかるのを防いだり、

自分が受けるべき注目や愛情を他人にまわして

家族を安心させる役割を担っています。

 

例えば、妹が病気がちだったりすると、

お姉ちゃんは「私は親に迷惑をかけないよう、いい子で静かにしていないと」と

感じることがあります。

 

こういう子は、

わがままを言えないで育つので、自己主張を言う力が育ちません。

 

そして、内面的に「自分は重要でない存在だ」「どうでもいい存在なんだ」と

思ってしまうので、自己肯定感がとても低くなってしまったりします。

 

兄弟の誰かが、病弱だったり、障害を持ってたりした場合、

親は、兄弟全員を平等に見れるよう、特に注意が必要です。

 

•ピエロ(Clown)/道化役

常におどけて家族の緊張感を和らげるような、

「ひょうきんもの」タイプです。

 

特に、なにか問題があったとき、ピエロのように家族を笑わせて、

問題の矛先をそらしたり、不穏な空気を解消しようとしたりしています。

 

そして、家族が笑ってないと、自分の心がしんどいから、

頑張って、ひょうきん者を演じるんです。

 

ひょうきんなので、親からはペットのような存在として

扱われていることもあるのですが、

 

ペットのような存在になってしまうと、

自分はこうだ!という意見を言えない性格にも繋がります。

 

常に、「かわいくて愛されるべき自分」でいる必要があるので、

大人になりたくないがために、

「子どもっぽさ」に執着することもあるかもしれません。

 

その結果、行動が幼く、落ち着きがないこともあります。

 

「ピエロ」のように、口は泣いているように見えても、

心(目)には涙が流れているのかもしれません。

 

 

•リトル・ナース(Little Nurse)/慰め役

家の問題を何とかしようと奔走する、「優しい子」です。

思いやりがあって、お世話やきでもあります。

 

例えば、親の愚痴を聞いたり、親の面倒をみたり、

父と母の間をとりもったり、

混乱の中でうまく調整役をこなしています。

 

このタイプは、自身の事はそっちのけで

家族のために何かをしようと常に考えているため、

自分を失ってしまい、

自分のしたいことや感情を認知することができないことがあります。

 

これを、「自己犠牲」と言いますね。

大人になっても、「自分さえ我慢すればいい」と思ってしまうのは

このタイプです。

 

 

•プリンス・プリンセス(Prince・Princess)/お姫様

 

自分の意思を無視され、溺愛されてしまった

まるで「人形」のような子です。

 

溺愛というよりも、

実際は、親の都合のいいように扱われていることが多いです。

 

「ママの言うことを聞いてればいいのよ」と、

自分の意思を持つことが許されないので、

 

常に人格を否定され続けている、と言っても過言ではありません。

 

 

 

 

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このように役割を背負った子供たちは、

自由に楽しい子供時代を過ごすことが出来ず、

 

「親の望んだ通りにしないと嫌われる!」という恐怖心 にさいなまれます。

 

そして、”親が”という部分が、

「彼氏が」「上司が」「友達が」と変わっていって、

 

大人になっても、他人の顔色をうかがってしまうようになるんです。

 

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このブログを読んでいるような、

「自分は生きづらい…」と感じてる人が、

 

「ああ、この生きづらさは機能不全家族のせいだったんだ」とわかって

気分が軽くなればいいのですが、、

 

もし、「なんでそんな育て方をしたんだ!?」と

親に怨みがわいてきてしまった場合、

 

そんな風に育てた親のことはもう、忘れちゃえばいいと思います。

 

そして、許せるのであれば、許しちゃうといいと思います。

 

 

親は親で、未熟だったはず。

 

そして、親は親で、アダルトチルドレンだったんじゃないか?と思います。

 

人が、「自分はアダルトチルドレンなんだ」と自覚するのは

「愛されなかったんだ」と自覚するのと同じようなことで、

 

本当に辛いことです。

 

もっと普通の家族に育ちたかった…

 

そんな気持ちにもなるかもしれません。

 

 

だけど、そういう家庭に育ったからこそ、

 

他人が感じる生きる辛さに共感できたり、

自分が素敵だなあという人に出会ったときの幸せを

濃く感じられるのかもしれません。

 

人生はいつでもやり直せます。

 

「私の価値観は、私が決める」

「自分の人生の主役は私」と言い聞かせて、

 

周りの声じゃなく、

自分の声に耳を傾けて生きていけることを

 

心から応援しています。