レジリエンス(resilience)」という言葉を聞いたことがありますか??

 

なかなか耳慣れない言葉だとは思いますが、

 

英語の辞書を引くと、『(元気の)回復力』と出てきます。

 

このレジリエンスという言葉、

心理学では、心の病を発症させないための防御力・抵抗力

 

そして、発症してしまった場合には、その心を治すための回復力といった意味で用いられています。

 

同じようなストレスフルな体験をしても、

心理的・社会的に不適応に陥ってしまう人もいれば、

そうでない人もいますよね。

 

例えば、戦争という悲惨な出来事を経験した場合、

誰しもが一時的にPTSD状態になることはあるのですが、

 

全員が一生涯、それに苦しむわけではなくて、

 

すごく切り替えが早くて、

前を向いて行動していける人もいるわけです。

 

 

この「レジリエンス」、

まだ心理学分野でも新しい概念なので、

色々な研究者によって定義が異なったりするのですが、

 

要素としては、

  • 自分の良いところも、悪いところも受け入れられる
  • 他の人と信頼関係を築き、交友関係を広げられる
  • 様々な困難や問題にぶち当たったとき、解決していける
  • 目標を自ら設定し、それに向かって進んでいける

 

というような4つを含んでいることが多いです。

 

文部科学省でも、このレジリエンスと似たような概念として、

生きる力

という言葉を使っていて、

 

例えば、いじめにあった子どもたちに対して、

教員や親などが、

子供のレジリエンスを強化していけるような対応ができるといいね、

ということを言っています。

 

 

ここで気になってくるのは、やはり、

 

このレジリエンスが強い人と、弱い人、

 

その違いは何なのか?

 

そして、

どうやってレジリエンスは強化すればいいのか??

という点ですよね。

 

まず違いから:

 

レジリエンスが強い人と弱い人、何が違うかといえば、

 

ポジティブ思考 or ネガティブ思考

 

という、お決まりの論理に行きつくようです。

 

ポジティブに考えられる人は、

そりゃあ一旦凹んでも、そのあとの回復力が高いです。

 

それはなぜかというと、ポジティブ思考の人は、

なんといっても「物事を別の角度から見る力がある」から。

 

何事も、良い面があれば、悪い面もある。

逆に、悪い面もあれば、良い面もある。

 

戦争体験は本当に苦しい思い出だけど、

あんな苦しさは、もう二度と起きないし、

どん底を経験したんだから、あとの人生、上りっぱなし…

 

というような感じで考えられれば

(すぐに、とはいかないでしょうけれど…)、

 

だいぶ、前向きに進んでいけるはずです。

 

どうしたらレジリエンスが強くなるのか?:

 

言い換えれば、まずは、

ポジティブ思考を育てればいい、わけなのですが、

 

思考がポジティブになるか、ネガティブになるか、というのは

 

多少、生まれつきの気質も関係するとは思いますが、

ほぼ、環境で決まります。

 

特に影響が大きいのは家族ですよね。

 

家族(特に両親)がポジティブ思考なら、子供もポジティブに

 

親がネガティブなら、子供もネガティブになります。

 

ただ、親がポジティブでも、周りの友達や教師がネガティブなことを吹き込めば、ネガティブな性格になることもあります。

 

 

お子さんを持つ方で、

子どもには強いレジリエンスをもって欲しい!

生きる力をつけてほしい!

 

と思う方は

 

ぜひポジティブシンキングで育ててください。

 

***

 

とはいっても、

 

「気が付けば、いつの間にかネガティブ思考になってて、意識したってポジティブ思考なんてできません!」

 

とか、

 

「すでにネガティブな家庭で育っちゃったし、今後、どうすりゃポジティブになれるんですか??」

 

とか思う人もいますよね。

 

この問いに答えるのが、カマスの話。

次回に続きます。

カマスの話-学習性無気力