精神分析を勉強し始めたころ、それだけで人の心がわかったような気になるときがあって、
会話の中で選ぶ言葉や、これまでにした病気、週末に何をしているか、着ている洋服・・・
色々なものを総合的に見て、
「あー、きっとこの人はこういうタイプだろう」と、タイプ分けしようとしてしまう癖がありました。
今考えれば、「このタイプは○○だろう」と決めつけてしまうことで、その人の行動を予測して、じゃあ私はこうすればいいや、と安心していたような気もします。
人の心をタイプ分けしてしまう、というのは 、精神分析の仕事をする上ではかなりのリスクです。
偏見を持つことで、クライアントの言葉を誘導してしまうことにも繋がるし、
ほんとうの事が見えなくなってしまうんですよね。
個人個人で抱えている悩みは違うわけだし、精神分析を仕事として考えるようになってからは、もっともっと、「その人自身」を深く見ていくように心がけるようになりました。
タイプ分けは偏見だ!
けど、タイプ分けって、結構いたる場面で使われてるんですよね。血液型占い、星座占い、県民性占い…
確かに当たっている部分はあると思うけど、多くの場合が偏見だなあ…と思うことが多いです。
特に、私の血液型はB型。A型の人からは、ほぼ100%嫌な顔をされます。。
「あなた、B型だからマイペースなのね」と言われると、「いえ、その理由は違います」と抗議したくなる気持ちになるし、
B型だから自己中、とか、B型だから大ざっぱとか、血液型のせいで偏見を持たれるのはとても寂しい気がするんですよね。
(B型って特にネガティブなことしか言われないし…)
一度偏見を持ってしまうと、その人のイメージが固まってしまうし、色々なことを質問せず、相手を勝手に解釈をしてしまうようになるんじゃないかと思います。
その結果、コミュニケーションに誤解が生じて、関係がぎくしゃくするだろうし、デメリットの方が大きいような気がします。
なので、初対面でいきなり血液型の話から入らないでほしい…と思う今日この頃。
その人を理解していくには、どうやって生きてきたとか、どういう風に考えてきたとか、それまでの価値観がどのように築かれてきたかが重要だと思います。
そして、たくさんの人が、自分がどうやって生きてきたかを言葉できちんと表せるように、一人一人が自信をもった社会になりますように。