ブログをスタートしたときに書いた「どうして精神分析を選んだのか? 」では語っていない、背景を詳しく書いてみました。
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あなたは、「精神分析」や、「無意識をさぐる」と聞いて、どのようなことを思い浮かべますか?
私は最初、あまり良い印象を持っていませんでした。
というよりも、「怖かった」という方が正確だと思います。
自分が心の奥に隠している秘密は、精神分析家という人には、いとも簡単にばれてしまうんじゃないかという恐怖です。
というのも、私は小さい頃から、特に自己紹介をするときに、「嘘をついている」「秘密を隠している」という罪悪感を感じることが何度もありました。
罪悪感をもつのは辛いから正直に言いたい。
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けど、正直に言ったところで相手を困らせるだけだし、言わないでおいた方がいいかな。
↓
けど、バレた時にどう思われるかが怖い…。
という葛藤を繰り返しながら、結局、それを隠したまま大人になりました。
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社会人5年目。人事の仕事をしている内に心理学に興味が出て、いずれ勉強してみたい、という気持ちを持つようになりました。
そんなとき、たまたま偶然なのですが、知り合いが、精神分析をしているという先生を紹介してくれたんです。
「精神分析は無意識を扱う」ということは知識として知っていたのですが、ただ「面白そうだな」という感覚で受講することにしました。
講座の初回。
無意識を分析する手法に、「描画法」というものがありまして、勉強する前に自分でも体験してみようということになりました。
木の絵や、人の絵、家の絵などを描くのですが、
最後に、「『家族のイメージ』を描いてみてください」と言われ、こんな絵を描きました。
この絵を見て、あなただったらどう思いますか?
私は、「色々な意見(色)があるんだけど、どれもトゲトゲしているわけではなくて、丸く収まるイメージ。それぞれが自由に動けるんだけど、自分の力でまんなかに集まってきてる」
というイメージで書きました。
喧嘩もしないし、よく集まってご飯に行くし、自分でも仲の良い家族だと思います。
「それぞれが自立しているんだけど、仲がいい家族」というのをイメージにしたいな、と考えていたら、このような絵になったんです。
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講座の後、先生が個別に絵の解説をしてくれる時間がありました。
私の絵を見て、先生が一番先に言った言葉は、
「誰か2人、家族の輪から離れて、客観的に見ている人がいますね」ということ。
ここのことを言っているらしいです。
それから、「家族の中心にいるのは、あなたですか?」と聞かれました。
ここ。
直感的に、「いや、私じゃない」と思いました。
兄か?違うな、
それなら誰だ?
と考えた答え。
それが、私が隠しておきたかったことです。
「家族の中心にいたのは、幼いときに亡くなった弟だ」、ということ。
…。
弟のことは先生に伝えていません。むしろ、言わないで済むなら、一生言わないでいようと思っていました。
だけど、私が描いた絵から、「一瞬で弟のことがばれた」
と思ったら、鳥肌が立ちました。
自分では自覚していなかったけど、
確かに、弟が亡くなった後、彼との思い出が家族の中心にいて、母親も父親もそこを見ている感じを抱いていた気がします。
私が家族の中で注目してもらえるのは年に1度のお誕生日なのに、
弟は、誕生日の他にも、月命日やら、お盆やら、法事やらで、注目される回数が多いわけです。
ある意味、嫉妬ですよね。笑
「母親も父親も自分を見ているようで、実は見ていない」という認識。
自分の無意識では、それをすべて悟っていたわけです。
そのあと先生に、「お母さんとお父さんに言いたいことは?」
と聞かれて、
「私のことも、もっと見て欲しかった」
と答えながら、涙がボロボロこぼれてきました。
弟のことをを隠したかった理由は、
「死んだ人のことを話すのは、相手を困らせるから」だと表向きには思っていたけど、
実際には、
「自分だって注目されたかったんだ」という気持ちに気付いてしまったら、
寂しさがとめどなく出てきてしまって、抑えられなくなるかも、というのが無意識的な恐怖だったんだと思います。
ただ、実際にたくさん泣いて、「寂しかったんだな」と言葉にしてしまうと、その恐怖は消えてスッキリしました。
それに、
親が実際に子育てを放棄して、私のことを見ていなかったわけではなく、
個人的な実感として、「弟と比べると自分への注目が少ないなあ!」と不満に思ってしまっただけ…
と、頭で考えられるようになりました。
ちなみに、この絵を描いたとき、弟のことなんか、これっぽっちも考えていませんでした。
それに、最初に中心を書いて、周りに○を足したのではありません。色々な○をランダムに書いたつもりでした。
だけど、最終的に見たら、黄色い○がど真ん中。
しかも、小さくて黄色い○なところが、星っぽい…。(笑)
そして、絵の中で少し離れている2つの○は、私と兄のようです。
この経験があまりにも衝撃的で、
精神分析って、言葉で無理に伝えなくても無意識に到達することのできるものなんだ、というのを認めざるを得なくなりました。
そして、自分が気付いていない無意識が他にもあるかもしれない、と思ったら、もっとよく知りたい!と思うようになったんですよね。
気が付いたら、かなりのめりこんでいました。
こんな事例は、かなり個人的な話です。
精神分析を受けることで、全員が同じような経験をする、とは全く思いません。
だけど、精神分析で無意識を探ることができれば、こういう、本人が問題として自覚していないものをも浮き彫りにすることが可能なんです。
例えば、心気症とか、原因不明の病気ってありますよね。
医学的に原因が見つからない病気って、大方、メンタルに何かしらの問題があることが多いです。
しかもその問題というのは、自分が自覚できない、無意識に眠った問題です。
原因が無意識に眠っているのであれば、カウンセリングで昔のことを思い出せば出てくるようなものじゃありません。本人の気付きを促したところで出てくるのは、せいぜい、前意識までです。
そして、精神分析をして、無意識に落ち込んだ葛藤を言葉にすることは、対処療法ではなく、根本治療になります。
原因不明の心身症が増える中、精神分析を使って、人を根本の部分から癒すことができたらなあ、という想いから
専門を精神分析としました。
人は、正体不明なものと関わることは、心にとって相当なストレスだ、という説があります。
自分の抱えている病気が「原因不明」だと医者に言われれば、原因がわかるまで病院を変えて検査し続けますよね。
その不安が、実際に病気を作ってしまったり、うつになってしまったり、というのもよくある話です。
精神分析をしてみて、原因が理解できれば、不安感は消えるかもしれないわけです。
分析を通じて、色々な人が安心していきいきと人生を送れるよう、サポートをしていくことが、
私に出来る社会貢献かな、と感じています。
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