私が勉強している精神分析は、

フロイト、ユング、ラカン、エリクソン、コフート、小此木啓吾、河合隼雄、岸田秀・・・、他にもたくさんの色々な先生の理論を総合した、理論体系の全体です。(呼び捨てしてごめんなさい)

 

心理学というのは色々な学問に派生していて、 最近人気なのは認知心理学や行動主義心理学あたりだと思います。

精神分析はどちらかといえば、社会から離れたところに位置しているような気がしています。

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精神分析の理論に共通しているのは、人は無意識を持つ存在である、ということです。

そして、精神分析的アプローチでの治療というのは、無意識の中を掘り下げて、その中にある欲求やコンプレックスなどを意識化し、そうすることで問題を解決していくことです。

 

 

この、無意識を探るのに使われているのが、「夢分析」です。

 

夢というのは、無意識が、その人の頭にある言葉をもとにイメージ化されたもので、誰でも毎日観ているものなんですよね。

この夢分析をすることで、精神分析のきちんとスキルを持った専門家であれば、一瞬で無意識を解説することができます。

 

なお、夢のイメージは、普遍的なものと、個別的なものがあって、

分析を行う時は、クライアントの無意識を探るわけなので、個別的なものに目を向けることが多いです。

 

よく「蛇の夢を見たときは○○なことが起こる」とか、夢を解説している本がありますが、

人の精神構造は個人個人で違うものなので、それがたまたま当てはまる人もいれば、当てはまらない人もいると思います。

 

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ここで事例を一つ紹介しますね。

 

あるクライアントで、小さい頃よく見ていた夢が、「ターバンをかぶった人が、背中をナイフで刺してくる」という夢だった、という人がいました。

 

「ターバンから連想することってなんですか??」と色々話を聞いていくと、

 

彼の頭の中で、どうやら、ターバン=風呂上がりの女性の姿 と重なることが判明したんですね。

そして、”背中”というのは、普遍的に、「何かを背負う部位」なので、

「ある女性から、何か、責任とかプレッシャーとかを、背負わされてたのでは?」という分析になったようです。

 

すると、この夢を見ていた頃に、ちょうど中学受験をしていたらしく、母親から「勉強しろ、勉強しろ」とプレッシャーをかけられていたことが判りました。

 

”背中”は普遍的なものだけど、ターバンから風呂上がりの女性を連想した、というのは個人的なものですよね。

 

彼の夢は、昔の話なので、ただ単に「昔はそういうこともあったなあ」という程度なのですが、

これが、小学生の時にわかってたら、

「あー、自分はこんなにも、母親からの言葉をプレッシャーに思ってるんだな」という気付きに繋がります。

 

その後どう行動するかは、その人次第なのですが、

 

もしかして、「お母さんから勉強しろって言われるの、ぼく、すごいプレッシャーに感じてるんだよ!」って訴えることができたかもしれません。

 

こんな説明で伝わるかどうかは不安ですが、

夢分析って、そんな感じのものです。