精神分析というもの
精神分析の理論では、人間には無意識というものが存在し、人の行動や体調は無意識によって左右されているのだ、と考えます。
そして、無意識に何かしらの葛藤があるとき、人は
①行動化、②言語化、③身体化 という3パターンで解決しようとします。
例えば、誰かと喧嘩をして大きなストレスがたまったとき、行動化としてモノに八つ当たりをしたり、言語化として人を罵倒するような言葉を発したり、身体化として胃が痛くなったり・・・という感じです。
ただ、この3パターンのどれもができない時、そのまま心を病んでしまうことに繋がります。
精神分析をすることは、このパターンの中でも「②言語化」のお手伝いをすることです。自分だけでは意識化できない本当の気持ちを、無意識を直接分析することで探り、言葉にしていく作業です。
なお、「無意識の葛藤」というのは何かというと、ざっくり言えば、今まで生きてきた中で、満足してこなかったものの総称です。
欲望を抑えてきた場面が多ければ多いほど、無意識の中には葛藤が積み重なっています。
どのようにして、無意識の葛藤を取り去るのか?
無意識というのは、100%、ご自身の言語で成り立っています。この無意識を構成している言語を書き換えることで、葛藤を取り去っていこうというのが、精神分析の取り組みです。
精神分析のセラピーは、対話療法です。セラピーにいらっしゃった場合、まずこれまでにあった色々な出来事や、育ってきた環境、あるいは、よく夢に見る内容などを聞いて、無意識の葛藤とは何かを探していきます。
そして、その無意識の言語を特定し、少しずつ言葉をポジティブなものに変えていく作業を行います。
カウンセリングでは、本人から言葉を引き出して、自ら答えを導き出すのを待つスタンスが多いかと思います。
比べて精神分析では、分析家が無意識の葛藤を分析できたら、それを論理的に伝えることで無意識を言語化します。
精神分析の効果と、治療にかかる時間は?
心を病んだ原因が無意識にあるのであれば、無意識を書き換えることで根本的な治療をすることができます。
薬を服用したり、カウンセリングに通ったりすることは、確かに心の病を一時的に改善するには効果があります。ただ、どちらかというと対処療法であることは否めません。
再発を完全に防止するためには、精神分析で無意識を書き換え、根本治療に取り組む必要があると考えています。
ただし、根本治療をするには、少し長期的に取り組む必要があることもわかっています。
特に、葛藤(満足せずに、心に押し込めてきた欲望)が多ければ多いほど、治療には時間がかかります。1回や2回で終わらせず、少なくとも3ヵ月くらいは続けて頂くことをお勧めします。
当サロンでよく使う理論
当サロンでは、精神分析理論の中でも、特に次の3つに主眼を置いています。
①思考は物質化する
無意識が発している力というのは、目に見えないのでなんとも胡散臭い感じがすると思いますが、
無意識にあるものは必ず物質化します。
例えば、「結婚生活は我慢の連続だ」という無意識の持ち主には、我慢しなければいけない出来事ばかりが舞い込んでくるし、
「結婚生活は喜びに満ちてて幸せだ」という無意識の持ち主には、結婚しているからこそ幸せだと思える出来事が舞い込んでくるようになっています。
無意識の言葉を変えるだけで、辛いことは避けられるんです。ポジティブな言葉を増やせば、ポジティブな出来事が多くなります。
②自分が変われば、周りが変わる
無意識を言語化するとどのようなことが起きるかというと、自分の気持ちの持ちようも変わりますが、一番に周りの反応が変わってきます。
特に、考えがポジティブになって、今までイライラしていたことに寛容になってきますので、周りもその変化を敏感に感じて、反応を変えるんです。
ネガティブな無意識には、ネガティブな反応が引き寄せられてきますし、人は、トゲのある人にはトゲを出して対抗してきます。
周りを変えたければ、自分を変える。その一歩として、精神分析を活用してもらえたらなと思います。
③病は気から
無意識の葛藤を言語化しない場合、身体化として、身体が自ら病巣を作りだすことがあります。
ストレスを抱えすぎると胃に穴があくことはよく知られていますが、胃だけではなく、皮膚、脳、他の様々な臓器に関しても同じです。
病気の種類は、ストレスの種類や、無意識が持っている言語によって変わりますが、病気になった原因が不明な場合、無意識が作用している可能性が高いといえます。
また、アレルギー反応や、うっかり事故による怪我についても、無意識が関係しています。
逆に言えば、病気やアレルギーは、無意識を分析して葛藤をなくすことで予防ができるし、治療することもできます。
そのため、もし何かの病気になったとしたら、薬の服用と並行しつつ精神分析を行うことをお勧めしています。