随分と経ってしまったのだけれど…

 

お正月に箱根駅伝を見てて、

和田正人さんがつぶやいたツイートでこんなものがありまして。

 

スポーツの世界だと、

原因不明で、突如として思い通りのプレーができなくなることを、

”イップス”って言うんです。

 

スランプというのと似てるんだけど、

全体的に不振なのではなくて

ある特定の行動ができない、という状況の場合を

”イップス”と言います。

 

プレー中に、なんだか力の入らない脱力感があったり…

なにが悪いのかわからないけど、なんだか筋肉の調子がおかしかったり…

 

野球選手だと、投げたい方向にボールが投げられない、というケースもあるようです。

 

色々な検査をしても原因が不明な場合、

私たち、精神分析に携わる者は

メンタルに何か問題がある、と考えます。

 

精神分析でイップスを治療するのに

何をしていくのか?というと

 

それは、

 

「葛藤を持つテーマを、言語化すること」です。

 

 

ぬけぬけ病についても、

きっとなんらかの心の葛藤がもたらした、

身体の不具合なんだと思います。

 

ただ、

重要なのは、その心の葛藤をどうやって言語化するのか…ですよね。

 

まず、心の葛藤って何なのか?という話をすれば

 

単純に、「プレッシャー」と言ってしまえば簡単なんですが、

 

本当は頭によぎっているのに、「そんなこと言ってはいけない」とか、

「言ったところで、どうにもならない」とか

 

そう考えてしまって言葉に出来ないのが「葛藤」だと考えます。

 

例えば、「自信がないのに、自信がありそうなフリをしなくてはいけない」時って

過度なプレッシャーになりますよね。

 

「俺は自信がない!そんなことを要求されても、できない!」

とは、口が裂けても言えない時、

それが心の葛藤になって、胃が痛いとか、腰が痛いとか、そんな体の不調に表れるんです。

 

身体化というのは身体の不調だけではなくて、

プレーの邪魔をしてくることを、イップスと呼んでいます。

 

ということで、

具体的に「何が心の葛藤になっているのか」を言語化できたとき、

イップスは収まります。

 

この「心の葛藤」というのは、どうしたって、個人個人で違うもんで、

抽象的な表現しかできないのですが…、、

 

例えばの話として、大学生の事例をご紹介しましょう。

 

ある大学生が、

「今は長距離走選手なのだけれど、実業団に進むか、普通の企業に行くかで迷っている」

という相談を持ってきました。

 

自分で進路を決められない理由として、

・楽しく走りたいけど、実業団からお誘いが来たのは嬉しい

 

足を出すのをためらってしまう

・かかとをいくら検査しても、骨や筋肉には異常がない

・何か心理的な原因があるのではないか?

 

という悩みを抱えていらっしゃいました。